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2005/05/22 SUN(No.764)

赤く燃える海



 みなさんは早朝から徒歩30秒の大浦棚田に出向いたようだったが、ボクはのうのうと朝飯直前まで惰眠をむさぼった。早出が続いていたのでさすがに睡魔には勝てなかったのだ。
 7時に朝食。すぐに出発。5日間もお世話になった民宿のおやじさん、おばちゃんが名残惜しそうに見送ってくれる。
 まずはすぐ下の大浦棚田から。棚田の写真ばかりでは能がないので、港まで降りて撮影する。天候は小雨が降ったり止んだりだが、傘が必要なほどではない。港の集落ではちょうどお葬式の準備が始まっていて、集落のほぼ全員と思われる30人ほどの男女が料理作りをやっていた。なんと、さっき別れたばかりの民宿のおやじが一抱えもありそうなカンパチを次から次にさばいている。女性陣は車座になって野菜を刻んだりお吸い物を作ったりしている。せっかく集落の人たちと会ったのだから、撮影は二の次でしばらく立ち話。
 瓜ヶ坂、高串、納所などの棚田や港を撮影しつつ、肥前町のほぼ端っこまで行って、いったん民宿近くの国民宿舎まで戻り久しぶりのコーヒー。お天気が芳しくないので、とりあえず隣の福島町、土谷の棚田を撮影して伊万里、有田に向かうことにした。有田では人間国宝の窯元などを巡り、ジャンルは違うものの、芸術家の感性に目一杯触れて感動、また感動。一個500万円の壷なんてのを見て、「なるほど、これなら500万円だわ、金があったら買いたい」と納得させられる経験なんてめったにできるもんじゃない。
 午後4時、厚い雲に覆われた空と相談し、夕景は諦めることにした。遠くからお越しのUkiukiさん、ミントンさんとはここでお別れ。JIROさんとボクは雷山さんに、今晩泊まる博多駅前のホテルまで送っていただくことになった。
 ところが、唐津を過ぎるあたりから空が見る見る明るくなってきた。ダメ元でもいいからこれを見逃す手はないということで、唐津を過ぎたところから玄海町に逆戻り、浜野浦の棚田を目指す。1時間以上戻る格好になったが、これが正解だった。一昨日の夕焼けをはるかに凌ぐ、この世のものとは思えないほどの夕景が撮れた。


【使えるワザ】
 なんだか、今回の取材写真はどれもハーフNDフィルターの宣伝をしているみたいで気が引けるが、今日の画像もこのフィルターなしでは撮れない画像だ。実際のところどうなんだ、というのが分かりやすいように、使用前使用後の写真で比べてみよう。
 参考画像3枚はいずれも20分前ぐらいに撮ったもの。まだ海面の光が強すぎる。1枚目は、フィルターを介した部分がどうなっているのかを示す画像、2枚目はフィルターなしで撮った画像、3枚目は使用後である。2枚目、3枚目を比べてみると分かるように、下の棚田の部分の明るさ(露出)はまったく同じなのに、上の海面の部分の明るさ(露出)が全然違っている。棚田に露出を合わせると海の部分が飛んでしまうところを、ハーフNDフィルターでラチチュードの範囲内に引き戻しているわけだ。
 5/19の「玄界灘夕景」とまったく同じ場所、同じ構図である。違うのは夕陽の色。19日は朝から完全なピーカンだったので、いまいち色が出ていないが、今日はつい今しがたまで曇り空だったのが、さーっと潮が引くように晴れたので空気に湿気が多く、その分赤い色が強くなっている。デジカメの設定も、ホワイトバランスを「曇天」ではなく「日陰」にすることで赤味を強めている。色温度にすると、曇天は6000K(ケルビン)ぐらい、日陰は7500Kぐらいになる。晴天の5300Kと比べるとかなり高い設定である。
  

撮影データ
カメラ

OLYMPUS
Camedia C8080 WZ
撮影日 05/05/21 08:47
ISO感度 50
絞り F4.0
シャッター 1/400
露出補正値 -2/3
WB 晴天
露光方式 絞り優先AE
測光方式 分割測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 35.6mm
(35mm換算)(140mm)
その他 手持ち撮影
レタッチソフト チビすな、PhotoShop EL

by osampodigicame001 | 2005-05-25 02:19
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