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2005/06/10 FRI(No.783)

いさり火



 先月の地獄の大渋滞のことが頭に残っていたので、無駄になるかもしれないとは思いながらも早めに家を出た。フライトは12時15分、自宅にタクシーを呼んだのが7時45分だから、4時間半もサバを読んだわけだ。今日は10日、いわゆる五十日(ごとうび)の金曜である。やましい気持ちが何もなくても渋滞する決まり日ではないか。ところが、どういうわけか、羽田までたった一時間で着いてしまった。3時間もかかったこないだはいったいなんだったのかと言いたくなるが、とにかく、走ってみないと分からない、それが東京の交通事情なのだ。
 というわけで、空港でとことん暇を持て余してしまった。書店に寄って文庫本を2冊買い、コーヒーショップで1冊目のほとんどを読み終える段になってやっと搭乗、宇部山口空港に着陸したときには1冊目を読み終えていた。
 空港でレンタカーを借り、まっすぐ長門市を目指す。小野田を経由して山道にさしかかったところでUkiukiさんから電話。すでに後畑の手前のところで待機中だという。すっ飛ばして4時半に合流。そのまま東後畑の棚田を目指す。
 この県道66号沿道にはけっこう味のある棚田が多く、それらを適当に撮影しながら日没2時間前に撮影ポイントに到着した。すでに20人ほどのじいさん、ばあさんたちが三脚を立てている。間隙を縫ってなんとか三脚場を見つけ、待機。お天気はときどき小雨が混じる曇り空で、海に沈む夕陽は拝めなかったけれど、午後7時半になると、海に出て待機していたイカ釣り船がいっせいに集魚灯に点火する。暮れなずむ海、前景には棚田、背景には漁火という、非常に幻想的な光景が出現するのだ。お天気が悪いせいで海が霞んでいるのだが、それがかえって幻想的な雰囲気を高めてくれた。


【使えるワザ】
 この場所は全国的に有名な撮影ポイントなので、この写真と同じものを見たことがある人はおおぜいいるに違いない。棚田といさり火が組み合わせて撮影できる、ほとんど唯一の場所だ。しかも、あまり奥行きのある棚田ではないのでアングルも自然と限られる。似たような写真が大量生産されるのも当然なのだ。違いといえば、当日のお天気次第で水平線が色づくかどうかだけみたいなところがある。晴天であれば、日没後かなり暗くなってからでも水平線上が帯状に紫色に染まる(たとえ肉眼では見えなくても)のだが、当日は小雨が降る状態での撮影なのでそれは無理。その代わり、霞んだ海上の空気がいさり火の光点を拡散させてくれたので、しっとりした感じが出ている。
 ホワイトバランスは「屋外」。デイライトタイプのフィルムとほぼ同じ発色だ。いさり火は白熱灯なので、やや赤味がかった色になり、棚田の部分は色温度が高いため青くなる。ちなみにこれを「白熱灯」で撮ると、いさり火は見た目と同じ白い色になるし、棚田の部分の青味はもっと強まる。この写真と比べるとかなり冷たい印象を与えるが、どちらがいいかは好みの問題だろう。
 例によってハーフNDフィルターで海の部分の輝度を落としている。暗い棚田の部分がちゃんと写る露出だと、いさり火がすっ飛んでしまうからである。


撮影データ
カメラ

CANON EOS1D MarkII
EF 28-135mm IS USM
HND Filter
撮影日 05/06/10 19:54
ISO感度 200
絞り F8.0
シャッター 6秒
露出補正値 -5/2
WB 屋外
露光方式 絞り優先AE
測光方式 分割測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 56.0mm
(35mm換算)(65mm)
その他 三脚
レタッチソフト チビすな

by osampodigicame001 | 2005-06-15 17:45
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