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2005/11/16 WED(No.942)

秋空に映える



 知人を介して急な依頼があったので、川口の植木屋さんに行って写真を撮ってきた。この時期にしか撮れない植木屋さんの被写体といえば孫の七五三かと思ったらさにあらず、売り物のもみじであった。ちょうどいい色になった今しか撮影できないというわけ。さすがは本職の植木屋さん、お天気の具合までちゃんと勘定に入れてある。写真のことがあまり分かっていないクライアントだと、どんよりとした曇天の、しかも夕方なんかを指定してきたりしかねないところだ。まあ、そういう依頼であっても、なんとかするのがプロだと言われれば返す言葉はないが、自分のところの商品写真だもの、ちゃんとしたシチュエーションで撮ってもらったほうが数層倍いい写真になるということを理解していてくれるというのはありがたいことである。なぜなら、そのほうが簡単だから・・・(笑)。この手の依頼は概してギャラは安いのだけれど、それにかかる時間や手間が少なければ、たとえば時給に直せばけっこう割のいい仕事になる。時間いくらじゃないボクらのギャラは、手っ取り早く終わって、しかもいい写真が撮れれば、それでもいい稼ぎになるのだ。
 結局、50種類ばかりのもみじや楓の写真を撮るのに1時間ちょいしかかからなかった。正午過ぎから2時前までの、光線状態の取り扱いがもっとも易しい時間帯だったので苦労なしである。紅葉の色は逆光の透過光が一番綺麗だとはいつも言っていることだが、太陽の位置が高ければ高いほど、撮影位置選択の自由度が増す。これが斜光だと、逆光側から撮ればせっかくの空の色が出ないし、順光側からだと肝心の楓の色がくすむ。撮影位置も狭い範囲しか選択肢がなくなる。
 それに、なんといっても本職が売り物として育てた木だ。病害虫で痛んだところがどこにもない。綺麗な葉っぱの部分を探す手間が少なくて済む。まだ色がよく出ていない品種については撮らなくていいということなので、ほんと、楽なお仕事だった。


【使えるワザ】
 撮影の帰りに国道沿いのファミレスでランチを食べた。食べながら読むというのがボクの昔からの習慣(←家では許してもらえない)だからというわけでもないが、一人で黙々とメシを食っても美味いわけがない。
 というので、例の「四千万歩の男」第2巻を取り出したら、またしても止められなくなって、メシを食い終わるのになんと3時間もかかってしまった。夕方を通り越してもう夜である。こういう生活を続けていたら、そのうち世の中に見放されるに違いない。
 青空の色とみもじの色の対比がポイントになる写真なので、今回はちゃんとPLフィルターを使った。仕事用とは別に撮った写真だけど、色を出すことを主眼にするのであればコンデジは至極便利である。ほとんどレタッチの必要がないぐらい、というか、逆に発色を抑制してやらないといけないぐらいに派手な色を出してくれる。この写真の場合も、フォトショのカラー調整で紅葉の部分の彩度を若干落としてある。
 カメラの望遠端は5.8mm(換算38mm)である。わずか0.3mmだけ望遠側にズームしてあるのは、左下に入れた前ボケした葉っぱの分量を加減するため。カメラをちょっとでも右に振ると、他の木が画角に入ってくる。かと言って、左に振ると前ボケの葉っぱが入りすぎる。その微調整が0.3mmの差異になった。この前ボケはなくてはならないものなので、けっこう神経を使ったというわけだ。この前ボケがないものとして写真を見直して欲しい。なんとも間の抜けた構図であることが分ると思う。


撮影データ
カメラ

CANON PowerShot S1IS
撮影日 05/11/16 13:01
ISO感度 50
絞り F3.2
シャッター 1/500
露出補正値 -2/3
WB オート
露光方式 絞り優先AE
測光方式 評価測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 6.1mm
(35mm換算 40mm)
その他 手持ち撮影
PLフィルター
レタッチソフト ちびスナ PhotoShop EL

by osampodigicame001 | 2005-11-16 19:27
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