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2005/11/17 THU(No.943)

亜流星群



 墓を見に行った。
 早起きして足立区の実家に寄り、嫌がる母親を説得して西多摩に向かった。ここに、30年も前に買って放置したままになっている墓場があるのだ。管理費を毎年ただ振り込むだけで、一回も見に行ったことはない。場所すらよく覚えていないという墓地だ。まだ薄給の時代の40万円、以後の管理費が毎年1万円で計30万円、けっこうなお金をつぎ込んでいる。まだだれもご入居にはなっていないので墓参りではないのだが、将来、ここでは親父とお袋、さらにその将来にはボクや鬼嫁もここで暮らすことになる場所だから、ま、生きているうちに一回ちゃんと見ておこうというわけ。ピーカンの秋晴れの下、真っ白に雪をかぶった富士山を遠目に眺めながらドライブした。疲れるからヤダと駄々を捏ねていた母も、車窓の紅葉などを眺めているうちにその気になったみたいで、けっこう喜んでいた。
 墓地は、どうせ草ぼうぼう、幽霊でも出てきそうな様相に変わり果てているだろうと思っていたのに、そりゃあ立派な、お弁当でも広げたくなるような綺麗なところだった。高台を拓いてあるところなので眺めはいいし、見渡す限りという形容が大げさではなぐらい広大な敷地なので、陰湿な墓地のイメージはどこにもない。我が家のお墓も、見つけるのに1時間ばかりかかったけれど、まるで昨日建立したというぐらいピカピカに手入れしてあって、毎年の1万円は伊達じゃなかったと感謝したくなるほどだった。母親も大喜び。「ここに入るのが待ち遠しい」なんて抜かしやがる。
 いったん実家に母親を送り届け、そのまま上がりこんで仮眠。今晩は徹夜で、毎年恒例の獅子座流星群を撮影することになっている。
 午後9時、阿佐ヶ谷でのりおくんを拾い、東京湾に浮かぶ海ほたるに向かう。昼間は雲ひとつない秋晴れだったし、天気予報もでっかい晴れマークだったのに、上空はさほど厚くはないものの高層雲が一面を覆い、満月がぼんやりと霞んで見える。雲に月明かりが乱反射するので明るすぎて、これじゃ流星どころではない。午前1時まで粘ったけれど、とうとう諦めた。帰宅は2時半、画像を整理していたら4時、さすがにメルマガ配信まで漕ぎつける余力はなかった。


【使えるワザ】
 羽田に下りていく飛行機の軌跡が流星にもし見えたら、「へっへっへ、ザマ見ろ」と自慢してやるつもりだったのに、残念ながらこれじゃあ誤魔化しようがない。猿が見ても流星には見えない。
 遠景は川崎の工場地帯、近景は海ほたるのイルミネーションである。当然ながら明るさに雲泥の違いがある。近景に露出を合わせれば遠景は(特に飛行機の軌跡は)写ってくれないし、遠景に合わせればイルミは真っ白く飛んでしまう。
 こういうときに重宝するのがハーフNDフィルターと言いたいところだけど、今回は寒いし眠いし、面倒なのでポケットに入っていた黒い財布を使った。要は、近景部分、つまり、画像の下のほうに入ってくる光の量を少なくしてやればいいわけだから、バルブ95秒の間に、黒い財布をレンズの前に下から出したり引っ込めたりして、下の部分の露光時間を短くしているのである。いくら黒い財布でも、レンズの一部をじっと覆ったままにしておくと影が写ってしまう。ちょこまかと動かしてやるのがコツだ。
 なお、バルブでシャッター幕を開けておく秒数はあくまで勘である。たとえば、最初の1枚を自分なりのペースで10数えた分だけ開けて写してみる。必ずしも10秒である必要はないから、時計で測るなんて面倒なことをすることはない。
 で、それが暗すぎるようであれば、次の1枚は15、あるいは20、あるいは40という風に、数える数を増やせばいい。15であれば露出で半段分、20であれば1段分、40であれば2段分、最初の1枚よりオーバーになるわけだ。そのようにして適正露出(のカウント数)を求めていくわけ。財布の出し入れの回数もこの方法で加減すればいい。数え方が一定ペースにならないなんて心配は無用。20数える間に仮に2狂ったとしても、露出にすればわずかな違いでしかない。目で見て確認できるほどの差は出ないから、細かいことは気にしないのが一番なのだ。


撮影データ
カメラ

CANON EOS20D
EFs 10-22mm USM
撮影日 05/11/17 22:16
ISO感度 100
絞り F8
シャッター バルブ・95秒
露出補正値 0
WB 屋外
露光方式 絞り優先AE
測光方式 評価測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 10.0mm
(35mm換算 16mm)
その他 三脚 レリーズケーブル 財布
レタッチソフト ちびスナ


その他のニセ流星群など








by osampodigicame001 | 2005-11-18 13:48
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