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2006/01/12 THU(No.999)

店先の明かり



 暖かな朝だった。ぐっすり眠っていたところ、いきなり布団を引っ剥がされた。こういう日には布団を干すというのが鬼嫁の条件反射なのである。ボクが昨夜、何時まで起きて仕事をしていたなんて考慮にも値しない些事なのだ。「いつまで寝てんのよ!」と叱責されて時計を見たらまだ7時、今日も4時間睡眠なのだった。ボクにとってはまだ深夜なのだが、5時起床が常習化している鬼嫁にとっては日中なのである。同じように叩き起こされた和尚さんと二人で、押し黙ったまま朝飯を食い、眠い眼をこすりながらお仕事。連合会の書類仕事や頼まれ原稿など、卵検査員をやったお陰で押せ押せになった仕事が溜まっている。先月12月に撮った写真の分類整理もまだ終わっていない。意に反して早起きさせられたけれど、考え方を変えればチャンスであるわけで、北向き書斎の寒さも多少緩んだこういう暖かな日は仕事もはかどるというものだ。
 ところがそうは問屋が卸さないのが我が家なのである。布団を干したばかりだというのに、「わたし、まだ初詣に行ってない!」という鬼嫁の声。近所の神社でもお寺でも、好きなところに勝手に行けばいいじゃないか。ボクの貴重な時間を当てにするのだけはやめてくれ!という小声が聞こえたのか聞こえなったのか、「成田に行くわ!」ときた。鬼嫁が言い出したらそれが決定というルールは、我が家ではいまだに破られたことがない。仕方がない、運転手はボクだ、車掌はキミだ。干したばかりの布団を干したときの半分の時間で取り込んでお出かけとあいなった。
 我が家から成田の新勝寺までは、順調に走れれば2時間かかる。利根川沿いのルートなので気持ちのいいドライブなのだが、すんなりと目的地に着けるほど甘くはない。途中に地物野菜の即売所なんかがあったら必ずお買い物だし、やれお茶だ、水だといってはコンビニだし、名所旧跡の看板などを発見しようものなら、寄らずば済まぬとばかりに寄り道を強要する。今日の寄り道は「房総風土記の村」であった。不覚にも、選りに選ってその正門前を通るルートを走ってしまったのだ。
 この房総風土記の村、関東にお住まいの方々ならご存知の方も多いと思うが、広大な敷地の中に6、7世紀の古墳群や江戸時代の街並み、農村風景などが点在し、森の中を縦横に散策路が巡っていて、1日のんびりと歩き回るには絶好の公園である。でも、冬場の午後2時に入場すべきところではない。ろくに見ないうちに日が暮れてしまうこと必定だからである。今日は新勝寺に初詣という本来の目的があるわけだから、寄るのならまた別の日にするのがまともな人の選択肢であろう。けれども、鬼嫁にそれを求めるのは酷というものだ。常識が通じるお方ではないのだから。
 というわけで、やっと新勝寺にたどり着いたときには、もうとっくに日は沈み、参道の街並みはさっさと店仕舞い、開いているのはこの写真のような占い師の店ぐらいしかない状態だった。鬼嫁と和尚さんが初詣とやらをやっているわずかの時間に数枚撮影することができた。


撮影データ
カメラ

PANASONIC DMC FZ10
撮影日 06/01/12 17:03
ISO感度 100
絞り F2.8
シャッター 1/4
露出補正値 -4/3
WB 曇天
露光方式 絞り優先AE
測光方式 評価測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 13.1mm
(35mm換算 79mm)
その他 手持ち撮影
レタッチソフト ちびスナ ViX

by osampodigicame001 | 2006-01-12 22:40
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