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2005/06/13 MON(No.786)

石橋のある棚田



 昨夜は食事の後、2時間ばかり画像チェックをやり、本を読んだ。羽田で買った文庫本の二冊目である。零時、眠気には逆らえず就寝。いつものことながら、旅に出るとたっぷりの睡眠時間に恵まれる。自分自身がネットに繋がっていない、イコール、ちゃんと寝られる、なのである。
 午前5時、朝日がまだ山裾から顔を出さないうちに普光寺に向かう。ところが道を間違えた。かなり遠回りを強いられたお陰で、普光寺に着いたときにはすでに朝日が谷間の一部を照らし出していた。せっかく竹田まで来たのに、第一目的はこれで台無しである。それに、たまたま顔をあわせたご住職によると、少雨のせいで今年のアジサイの見栄えはまったくダメなんだそうだ。撮影した画像もイマイチ。いい写真が撮れたときには、モニターで確認などしないうちに「やった!」という電流が背骨を流れるものだけど、まったくそういうことがなかった。竹田はそのうちに仕切り直しということにせざるを得ないようだ。
 いったん宿に帰り、朝食をとってから出発。まずは久住フリーウェイを北上し、快晴の久住高原を満喫。その後、細い山道をたどりながら九重、庄内を抜けて挟間町へ。別府のすぐ手前である。ここで奥詰めの棚田、内成の棚田の二ヶ所を撮影する。
 かなり深い谷間を開墾した奥詰の棚田は、まことに残念なことに、一番の特徴である谷の壁面に帯状に拓かれた細い棚田が、すべて耕作放棄されたただの段々だけになった姿を晒していた。農作業をしていたおっさんに聞いてみたら、耕作放棄されてすでに20年ばかり経つのだそうだ。確かに、植えたとしてもせいぜい2列か3列しか植えられない細い棚田を耕作しても、働き損になるだろうことはボクみたいなシロートでも分かる。この棚田がしっかりと耕作されていれば、他では絶対に見られない美しい姿だったろうと思うと、ちょっと切ない気持ちになった。
 対照的に、内成の棚田は現役バリバリという感じ。たぶん、軽く1000枚を超えるだろう棚田の全景は言葉では言い表せない美しさだ。
 別府市内を抜けるついでにラーメンでお昼を食べ、次は内竈の棚田。別府湾に面した別府市街の背後に開けた田んぼである。規模はそれなりにでかいのだが、残念なことにここも遠からず宅地になり、なんとかヶ丘なんていう、鳥肌ものの名前がつけれると思うとちょと悲しい思いがする。
 ラーメン後、安岐町の山浦棚田。棚田を探し当てるのに2時間ばかりかかった。やっと探し当てた棚田は、ほんとの山の中にほんの数戸の密乗院という集落にあった。分かりづらいはずだ。山の中のそのまた山の中なのだ。
 午後4時、撮影を切り上げ大分空港。みさちゃんは明日から仕事なのだ。見送った後、まだ太陽も高いし・・・ホテルにチェックインしても屁をこくぐらいしかすることはない。日没までまだ3時間もあるので、印西にある棚田を目指す。日没の直後に、ついに「やった!」という、背筋がぞくぞくする写真が撮れた。山奥のそのまた奥、さらにそこから10光年ぐらい奥の棚田だったが、時間をかけて探し出した甲斐があった。
 ホテル着午後9時。町内会の銭湯(100円)を使わせてもらい、コンビニ弁当を買ってきた。さて、今日の画像をチェックするとしよう。


【使えるワザ】
 大正14年築の石橋だそうである。両合川橋とある。川といっても跳び越せるぐらいの川幅しかないが、雨が降ると急流になるだろうことは容易に分かる。木橋ではダメなのだろう。石橋マニアには有名なところらしく、集落までの細い山道にはところどころに案内板が立っていた。
 もう日も暮れて棚田には人影もない。どこからか犬の吼える声が聞こえてくるぐらいで、せせらぎの音がやけに大きく響く。石垣で造成された棚田と石橋の両方を画角に入れるために、10mmの広角で撮影している。超広角なので画像周辺部にディストーションがでる。ネコ車の車輪が楕円形になっているのがその証拠。でも、手前のものが大きく、遠くは見た目より小さく写るという広角の写り方がこの場合はいい迫力を生んでいると思う。


撮影データ
カメラ

CANON EOS20D
EF 10-22mm USM
撮影日 05/06/13 18:30
ISO感度 100
絞り F8.0
シャッター 1/30
露出補正値 -1.0
WB 屋外
露光方式 絞り優先AE
測光方式 分割測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 10.0mm
(35mm換算)(16mm)
その他 手持ち撮影
レタッチソフト チビすな

by osampodigicame001 | 2005-06-15 17:51
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