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2005/09/21 WED(No.886)

稲を刈る82歳



 雷山さんとミミさんは昨日までだったので、今日はukiukiさん、ミントンさん、ボクの3人だけである。8時半に旅館をチェックアウトし、午前中は大分との県境を越え、玖珠町にある早水の棚田を目指す。ここは6月の大分取材の折に一度訪れたことがあるのだが、非常に美しい棚田なので実りの時期の風景も見ておきたかったのだ。浮羽からだと車で1時間、隣の県だけれど意外に近いのである。
 棚田では大半の時間を立ち話に費やした。ボクは、立ち話は撮影の一部だと考えているから、立ち話に応じてくれる人が多い田舎は大好きなのだ。お陰で人物が入った写真が大量にゲットできた。
 慈恩の滝を撮影後、午後は浮羽を通り越して佐賀の県境を越え、富士町の西の谷棚田と小城町の江里山棚田。西の谷の棚田はまあまあだったが、江里山は凄かった。今回は彼岸花で有名な葛篭の棚田がメインのはずだったのに、ここの彼岸花は葛篭を凌ぐ見事さだ。棚田の規模も大きく、何より形が美しい。人影もまったくない。百選には選ばれてはいないのだが、こういう隠れた田んぼを発見する楽しみも地方取材の醍醐味である。1999年に農水省が選定した「棚田百選」は、選定基準として「景観」が優先されたわけではないので、百選だからといって意気込んで訪ねて行ってがっかりすることも少なくはない。中には、完全に消滅してしまったところや、稲以外に転作されて段々畑になってしまったところもある。百選ではないけれども美しい棚田はたくさんあるわけで、息長く取材を続けていれば、いずれはボクなりの棚田景観百選ができるのではないかと思っている。


【使えるワザ】
 早水の棚田で鉄腕ばあさんに会った。82歳というこのばあさん、たった一人で手作業の稲刈りである。しかも、ハサ掛けをするために、今朝一番で山に入り、ぶっとい竹を2本切って担いできた。5メートルでは足らぬ長さである。若干耳が遠くなっておられるようで、立ち話もややちんぷんかんぷんなところがなくはなかったけれど、口調はしっかりしているし、背筋もぴんと伸びていた。この後立ち話をした76歳ばあさんのほうが、よほど年寄りに見えたものだ。手押しのコンバインがあるそうだが、使い方が分からないんだそうだ。じいさんが脳梗塞で歩けなくなっているので、仕方なくばあさん一人で稲刈りというわけ。
 「写真撮ってもいいよ」との仰せなので、喜んで撮らせていただいた。このときは曇り空で光線状態はさほど強くはなかったものの、下を向いた顔の部分が陰になってしまいそうだったので、いつもより1/3だけ露出をプラスに補正してある。常用-2/3が-1/3というわけである。


撮影データ
カメラ

撮影日 05/09/21 10:09
ISO感度 100
絞り F5.6
シャッター 1/200
露出補正値 -1/3
WB 屋外
露光方式 絞り優先AE
測光方式 評価測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 85mm
(35mm換算 110mm)
その他 手持ち撮影 PLフィルター
レタッチソフト ちびスナ

by osampodigicame001 | 2005-09-25 02:01
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