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2006/03/22 WED(No.1068)

モノクロタマゴ



 まぐまぐとの話がまとまり、新たにプレミアム版(有料版)の「お散歩デジカメ」を発行することが正式に決まった。一応、叩き台になる提出用サンプル誌は作ってあったのだが、正式決定を受けて、ちゃんとした宣伝版を大至急作る必要がある。今日はその仕事で息つく間もなかった。新しいヤツのサンプルだけではなく、この従来版を模様替えしてものも作っておかなくてはいけない。いったんテンプレートになるものができてしまえば後は楽チンなのだが、なんでも最初が一番難しい。内容はある程度固まっていたのだけれど、デザインをどうするのか、どういう形で継続性を持たせるのか、そういうところを考え考えしなければ作業が進まない。タバコの本数もずいぶん多かった。
 なんとか夕方までにサンプル誌を二つ作り上げ、夕食を挟んで今度はネット撮影会の運営方法を検討、投稿規程を作り変えた。終わってみたらもう10時近い。今日の一枚を撮っていなかったので、間に合わせでブツ撮りをやった。
 言わずと知れた卵である。暮れから正月にかけて苦しめられた記憶がようやく薄れてきたので、普通の目で卵が見られる。それをいいことに手軽な被写体として選んだというわけ。
 でも、卵を写そうと思ったのは単なる思い付きじゃない。実は深い訳があるのだ。今月のネット撮影会のお題は「モノクロ」だが、モノクロといえば卵なのである。昔、ボクがまだ修行中だった頃、大先生から卵を写せと何度も言われた。暗室作業の勉強なのだ。
 デジではなく、フィルムで撮るモノクロ写真というのは、撮影、現像、焼付けという一連の流れの中で作品を作っていくことであるわけだが、この3つのステップのうち、もっとも難しく、しかも、もっとも比重が重いのが焼付けというステップなのだ。撮影というステップはたかだか写真を撮るだけのことで、そこでは技術よりも行動力や感性が成果を決める要素になる。現像は、液温と時間さえ間違わず、ちゃんと攪拌しさえすればいいだけのことだ。ところが、焼付けという作業は奥が深い。技術の研磨が非常に大切な要素なのである。精細な手の動きやコンマ秒単位のタイミングの測り方など、経験を積まなければ到達できない領域があるし、もちろん、時間的にも労力的にも一番きつい。
 その技術を磨く上で、この「ただの卵」の写真を焼く作業がとてもいい勉強になる。もともとが白いものだし、バックも白だから、ライティングで表現された陰影だけが写真の出来不出来を決める。その陰影をどうやって焼き付けるのか、卵の質感を損なわず、しかも、誰が見ても卵以上のものではないいう焼き方は、一晩暗室に篭ったぐらいでは極めることは不可能なのだ。
 デジではそれを画面上でやることになる。レタッチしながら昔馴染んだ酢酸の匂いを思い出した。印画紙を何枚も無駄にしながら、明け方になっても満足の行くプリントができず、眠い眼をこすりながら出勤していったものだった。


撮影データ
カメラ

CANON EOS20D
EF 28-135mm IS USM
撮影日 06/03/22 22:19
ISO感度 100
絞り F8.0
シャッター 1/30
露出補正値 -1/3
WB 屋外
露光方式 絞り優先AE
測光方式 中央重点分割測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 120mm
(35mm換算 192mm)
その他 手持ち撮影
レタッチソフト SILKYPIX PhotoShop EL

# by osampodigicame001 | 2006-03-23 01:26

2006/03/21 TUE(No.1067)

コブシ咲く



 昨晩から、今日はWBCの決勝戦を観る決心を固めていたのに、朝刊を読んだとたんに忘れてしまった。地方版に、安行・興禅院のコブシが満開という記事を見つけたのだ。昨日の関宿のコブシが空振りだったことで、コブシという文字がいっぺんに頭の中をいっぱいにしてしまった。
 このお寺のコブシはももうずいぶん長い間見ていない。関宿の関東一の巨木と違って、樹齢はせいぜい200年ぐらいのもの、でっかいことはでっかいけど、まあ、人に言いふらすほどのシロモノではない。ただ、その花付きが非常に盛大なので、以前は密かなボクの穴場だったのだ。でも、かれこれ5、6年もご無沙汰していたら、すっかり記憶の奥底に仕舞いこまれてしまって、思い出すこともなかった。
 それが、新聞記事で蘇ったというわけ。とりあえず、片付けるべき急ぎの仕事だけ済ませ、午後から出かけた。我が家からは車で30分ほど。去年の秋、やはり安行のモミジの写真を撮りに行ったが、その植木屋のすぐそばだ。
 お彼岸の中日だし、新聞にも載ったし、さぞや見物人も多かろうと思っていたが、吟行をやっている5人ほどのじいさんグループと、老夫婦が2組だけ、禅寺の静かなたたずまいが乱されることもなく、ゆっくりと撮影できた。このお寺の裏手の森には、ところどころに石仏が置いてある遊歩道があって、まだ梅も綺麗な花をつけていたし、小鳥のさえずりを聞きながら小一時間ほどゆっくりしてきた。暖かな春の陽射しが気持ちのいいお散歩だった。

 というわけで、家に戻ってから日本が世界一になったことを知った。ニュース番組が大騒ぎをしているので試合の模様も知ることができたが、なんだかえらくいい試合だったみたいで、これはもう、コブシどころじゃなかったわいと臍(ほぞ)を噛んだ次第。生まれつきのアルツ系である上に、写真となると他のことがまったく目に入らなくなる。いつもはそれでいいんだけれど、今日はそのお陰で損をしたような気分だ。


撮影データ
カメラ

CANON EOS20D
EF 28-135mm IS USM
撮影日 06/03/21 14:29
ISO感度 100
絞り F11
シャッター 1/320
露出補正値 -2/3
WB 屋外
露光方式 絞り優先AE
測光方式 中央重点分割測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 105mm
(35mm換算 168mm)
その他 手持ち撮影
レタッチソフト SILKYPIX PhotoShop EL 縮小専科

# by osampodigicame001 | 2006-03-21 22:53

2006/03/20 MON(No.1066)

孤城



 昨日同様、今日も嵐だ。烈風が吹き荒れて、マンションの構内にはあちこちに吹き飛ばされた洗濯物が落っこっている。ボクのパジャマは昨日行方不明になった。
 強風で晴天となると、霞んだ春の空が一転して澄み切った青空に変わる。こういう空のときはモノクロ撮影日和なのだ。ところが、まぐまぐやら出版社やら建設会社やら、こういうときに限ってあちこちメールや電話で連絡を取らないといけない。書斎仕事が途切れ途切れになるので、ほとんど進展がなかった。ネット撮影会の宿題である2月分の講評書きが5作品ばかり、成果はこれだけである。
 午後遅くなってやっと昼メシを食いに出て、ちょっと遅いかと思ったけれど関宿まで足を伸ばした。このメルマガにも何度か登場したことがある関宿城は、利根川と江戸川の分流点にある。江戸時代、水運の要であった地点だ。
 その関宿城から橋を1本渡った中州に、ちょっとした公園がある。その公園に関東一と言われるコブシの木があって、ボクんちの近辺ではもう咲き始めているから、ひょっとしたらと思ったわけ。でも、まだ全然。蕾はいっぱいついていたけれどまだ堅く、咲くのは下旬ぐらいだろう。せっかく来てみたのに手ぶらで帰るのもなんだから、10枚ばかり撮影してきた。
 C8080にはモノクロモードがない。したがって、カラーで撮った画像をモノクロ転換するわけだけど、もともとRAW形式というのはモノクロ情報であるわけだから、現像過程で色情報を加えなければいいだけのことで、不自由はないのだ。一応、RAW+JPEGで記録させているのだけれど、カメラ内部で現像されたJPEG画像と、RAWから自分で現像した画像ではやっぱり格段の違いがある。
 R1フィルターという真っ赤っかのフィルターを装着した画像は、JPEGで記録されたものはほんと真っ赤な写真として出てくる。でも、RAWをモノクロ現像すると、この写真のようになるわけである。フィルターの効果で空の描写が非常に深いものになるし、コントラストもレタッチで加えたものとは違う、自然な味わいが出る。ブログ版にカラーで撮ったもの、それをモノクロ転換したもの、R1を噛ませたものの3枚を載せておくので、比較してみたらいい。


撮影データ
カメラ

OLYMPUS Camedia C8080 WZ
撮影日 06/03/20 16:19
ISO感度 50
絞り F3.2
シャッター 1/80
露出補正値 -2/3
WB 晴天
露光方式 絞り優先AE
測光方式 中央重点分割測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 7.1mm
(35mm換算 28mm)
その他 手持ち撮影 R1フィルター
レタッチソフト SILKYPIX


おまけ

カラーで撮ったJPEG画像


それをモノクロ転換したもの


R1フィルターをかけたカラー画像。
これをモノクロ現像すると今日の1枚になる。

# by osampodigicame001 | 2006-03-20 20:50

2006/03/19 SUN(No.1065)

花盛り



 今にも泣き出しそうな夜明けの空を眺めながら出発したら、案の定、利根川を渡るあたりで雨になった。霧雨である。もっと降ってくれれば引き返せるのに、こんな程度じゃ行ってみるしかない。
 渡良瀬遊水池北ゲートのちょっと先に、ほとんど人に知られていないダートの農道があって、脱輪しないように注意して50メートルばかり進入すると土手に出る。ここなら車を止めておけるのだ。葦焼きの日は遊水池の中には当然ながら進入禁止だし、カメラマンは雲霞の如く集まってくるわけだから、駐車場所確保が至難のワザになるのだけれど、この秘密の場所があるので、中央ゲートから3キロもの道のりを機材を担いで歩く必要がない。
 着いたのが6時半、この時刻にはすでに土手の上には50本ほどの三脚が立っていた。ゲート入口にはガードマンが出て、駐車場に入ろうとする車をブロックしている。しめしめ、引き返さなくて正解だった。霧雨もじきに上がり、空の一角には青空も覗く。
 ところが、1時間半後、ガードマンたちが引き上げ始めたのである。中止決定の連絡が入ったそうだ。たとえ霧雨でも、葦が濡れてしまっては火が放てない、そういうことだろう。去年も順延2回、3度目まで粘ったpaulさんだけに幸運の女神が微笑んだ。第一、早春のこの時期は雨の確率が高い季節なのだ。毎年通っているが、予定日に実施されたのは一昨年ぐらいのもの。順延はハナから覚悟だったとはいうものの、せっかく早起きしたのに残念!
 せっかく来たのだから、転んでタダ起きるのではつまらない。古河の総合公園に寄ってみた。マンションのモモがやっと咲き始めだから、この公園の有名なモモ林は当然まだである。でも、いつもの茶畑の梅と水仙がとてもいい感じだった。20枚ばかり撮ってノルマ達成。
 データは撮影時のカメラ設定だが、RAWからの現像段階で露出補正を-1/5、レベル補正で暗部を締め、彩度をほんのわずか上げている。フォトショによるレタッチ過程は空の青い部分だけの色相調節のみ。青味が強すぎたので、春らしいぼんやりした感じにしてある。色相の調整は微調整の微に超がつく程度に抑えないと画像がウソっぽくなる。

 午後からマンション連合会のセミナー。全国紙に記事が載ったので、今回のセミナーには大勢の観衆が集まった。メインテーマが今話題の耐震診断なので、ある程度予想はしていたけれど、WBCの準決勝韓国戦とかち合ったにもかかわらずの盛況、ありがたいことである。連合会もだんだん知名度が上がってきたみたいだ。こうなると、結成までのイバラの道も無駄じゃなかったという気になる。


撮影データ
カメラ

CANON EOS20D
EF 28-135mm IS USM
撮影日 06/03/19 08:16
ISO感度 100
絞り F11
シャッター 1/50
露出補正値 0
WB 屋外
露光方式 絞り優先AE
測光方式 中央重点分割測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 28mm
(35mm換算 45mm)
その他 手持ち撮影
レタッチソフト SILKYPIX PhotoShop EL

# by osampodigicame001 | 2006-03-19 21:57

2006/03/18 SAT(No.1064)

モクレン開花



 ずーーーーっと考え続けてきたメルマガ再構築の素案がほぼ固まった。骨子は、初心者向けの参考書風と、ある程度上達したおともだち向け教科書風の二本立てである。初心者向けはこのメルマガをほぼ継続するが、労力と時間配分の関係上、エッセイ部分は大幅に縮小する。画像はこれまで通りコンデジで撮影したものがメイン。そして、やっぱり1日1枚が基本である。犬マンガはもちろん継続する(覚悟は良いか、お魔女!)。
 一方、ベテラン向けは教科書であるから、かなりリキの入ったメルマガになる。息抜きにこのエッセイをそちらに移行するけれど、主要部分はレタッチやRAW現像の実際とワザの解説、それに、ネット撮影会投稿作品の講評。
 従来ボクは、このメルマガであまりレタッチについては触れないようにしてきた。それは、モノクロ銀塩で言う「標準ネガ」の考え方が撮影の基本であるべきだとの思いがあったからだ。レタッチでいじる以前の問題として、カメラから取り出す時点でそのカメラの性能が100%発揮された画像を取り出さないといけない。レタッチでどうにでもなる(実際はどうにでもならない!)と思っていたら撮影がいい加減になるし、技術の上達は望めないという信念があるのだ。
 しかし、実際には撮影、現像、焼付け(レタッチ)まで全部こなしてこそ作品が自分のものになるという現実に、いつまでも目をつぶっているわけにはいかない。ネット撮影会で投稿者の作品を見ていると、この思いがますます強まってくる。レタッチ一つでうんと良くなるのに、という作品が多いし、逆に、なまじ下手くそなレタッチなんかを施したお陰で台無しにされてしまった作品なんかもあるのだ。
 というわけで、教科書風の新メルマガには、写真全般にわたって学習できるようにという配慮を散りばめ、画像も眼デジ画像を主体にしていく。こちらももちろん1日1枚が原則である。つまり、読者にとっては1日1枚だが、ボクは1日2枚をこなさないといけないわけだ。
 新メルマガはマグプレ版、すなわち有料にするつもり。その替わりと言っちゃなんだが、読者は月間1枚に限り無料でネット撮影会に応募できる(2枚目以降は従来通り)。講師賞には従来の「拍手」に加えて賞品を出す。発刊は4月中旬、ちょうどこのメルマガの3周年を機に、と考えている。このあたりはまぐまぐとの話し合い次第だけどね。
 というわけで、ボクの勝手な素案はほぼ固まったのだけれど、まぐまぐとのお話し合いやらサンプルの作成やら、いろんなハザードをクリアしていかなくては絵に描いた餅、考えただけ損ということになる。宿題も片付けなきゃいかんし、しばらくは寝られそうにないな。

 宿題の一つ、1月分「寒さ」の作品集を完成させた。今回は講評し甲斐があった。講師賞の該当なしという体たらく、けちょんけちょんの快感にどっぷり浸れて幸せである。いいストレス解消になったわい。


撮影データ
カメラ

CANON IXY D450
撮影日 06/03/18 15:31
ISO感度 100
絞り F2.8
シャッター 1/320
露出補正値 -1/3
WB オート
露光方式 絞り優先AE
測光方式 中央重点分割測光
合焦方式 スポットAF
焦点距離 7.4mm
(35mm換算 36mm)
その他 手持ち撮影
レタッチソフト PhotoShop EL

# by osampodigicame001 | 2006-03-18 21:02